フラットホワイトの午後

手帳のこと、本のこと、映画のこと。

「ミスト」(2007年/アメリカ)

スティーヴン・キング原作、後味の悪いバッドエンドと評判のSFホラー。この手の映画では新しさのあるエンディングで、全編通して意外に面白かった。

20年以上前のことなので詳細を全く覚えていないが、一時期スティーヴン・キングにハマって立て続けにいくつか読んだ小説のうちの一つ、『ミスト』。

映画化されたのは知っていたが、ネットでの評判は後味が悪いバッドエンドのトラウマ映画とのこと。小説とは違うエンディングらしい。どちらかというと明るく楽しい映画を好む傾向にあるので、長らく観る気分にならなかった。

最近調子が悪く鬱々としていて、笑える映画を見ても一時的にしか元気になれない。これはカタルシスが必要なのでは、と思い、じゃあついにトラウマエンドと名高い「ミスト」を観る時がきたか!とばかりに鑑賞することに。

小説の内容はほとんど覚えていなかったので、全編新鮮な気持ちで楽しめた。グロいシーンも数箇所あったが、あまりグロを好まない私でも許容範囲程度だったかなと思う。「面白い」という言葉を使うのは不謹慎な気持ちになる内容だが、これが意外に面白かったのだ!

突然生きるか死ぬかの窮地に立たされた人々がそれぞれ何を信じどんな行動を取るのか、相当単純かつハイテンポに社会の縮図的に見せていて、いろいろツッコミどころがあり、観ていて飽きない。(でもちょっとイライラする)

そこに加えて、霧の中にいる「何か」がちょこちょこ見えてくるのもミステリアス。この霧は一体何なのか、そして霧の中にいるのは一体何なのか?この事態の原因は、もしかして宗教的な何かなのかな?と思わされたり、SF?!と思わされたり、何だろう?と思って観ていると結構忙しい。とりあえず細かいことは気にしてはいけない。

そして、この手の映画にしては珍しいエンディング。確かにトラウマになるバッドエンド(^_^;) しかも、想像の少し先をいっていたのがまた裏切られて面白かった。えぇーーー、そんなぁーーーーー!とまんまと思わされ、後味は悪いが結果的にいろんな意味で楽しませてくれた作品だった。カタルシスにはちょっとならないかな〜(^_^;)